鋼の錬金術師 7話 合成獣が哭く夜

これ、これだよ。こういう鋼の………。見たいかというと微妙。いや、とてもよくできた話なんだ。芥川龍之介の「地獄変」のような。人の昏い欲望の果ての残酷な行為。
原作で知ってはいたけれど、子供らしくあどけない少女ニーナの運命の惨さと悲しさ。
タッカーの行為の隠された理由には「嫉妬」がある。
目の前の苦労しらずに見える天才エド。わずか12歳で国家錬金術師の称号を苦もなく取ってしまう彼への曰く言い難い感情が、娘での錬成という非情の行為への引き金を引く。タッカーのこの複雑な心がアニメ版のほうがより鮮明に描かれていた気がする。
ニーナが原作のように目の前で父親が殺されるのを見ることがなかったのだけがほんのわずかな救いか…。