帰省
早速お墓参りに。
墓参りなどという習慣も、そろそろすたれはじめているよなぁ。家だとか一族だとか、そういうものがすでに壊れはじめているから。
それでも、私の年の離れた姉は、どうしても墓が欲しいといい、大枚をはたいて霊園の一角を買っていた。だが、自分がそういったものを欲しくなる状況が想像できない。

死ねば終わり。
だから、せめて、ひとの記憶の中に、生きたい。
そう思う心は理解できないこともないけれど。
そこに墓がなにかの作用をする時代は終わりつつあると思う。

放置された無縁の墓石を横目でみつつ、墓前に花を供えながら、ふと自分の先行きを思った。