孟嘗君 2巻 3巻

孟嘗君 (2)
宮城谷 昌光

孟嘗君 (3)
宮城谷 昌光

孟嘗君 (田文)の幼年から少年時代。
1巻で活躍した田文の父親風洪が白桂と名を変え、「商人」となるまでが2巻。白桂から託された希代の名軍師孫びんに導かれ、貴人の父、田嬰の元に戻るまでが3巻。
桂稜の戦い、馬稜の戦い、と孫びんの名軍師ぶりが際だつ。その中で少しづつ己を持ち始める主人公田文
麻の如く乱れる戦国春秋時代の天下を舞台に、翻弄される個人かなら、世を問い義の人として大勢の食客を抱える孟嘗君となるまでを丁寧な筆致で描く。
毎度のことながら、宮城谷世界の主人公は誰からも愛される天才であり、その人となりによって勝とうとすることなく勝つことができる。美しい女性にもモテモテ。まあ、それこそが「王道」である、という話なんだが…。
そういう「理想」を元にした物語も、たまにはよいじゃないですか。