キューティ・ハニー

キューティーハニー
庵野秀明



「特撮」をわかっている人が撮った「特撮」ファンのための映画、という感じ。あ、もちろん、サトエリのアイドル映画としても十分以上に機能しているので、ファンなら絶対に買いかもしれない。
おにぎりがエネルギーソースだったり、お人好しのドジっ子だったりする設定は、いささか古いハニーファンには「えええぇ?」という感もなくはないが、サトエリ自身のぽちゃっとしたファニー・フェイスにはよく似合っているのだ。(それにしても、足は長いし、胸は大きいし、goodなプロポーションである。日本人もこういう人が出てくるんだよなあ。体型変わったよなあ…。)
特にオープニングから主題歌までのシークェンスはすばらしい。まあ、そこで力尽きて(もしくは予算が尽きて)後半になると、いささか荒い部分もててきてはいるが。とにかくチープな特撮を、特撮アイで見続けてきたこちらとしては、特撮とハニーと両方に対する監督の愛で、寛容の心を持って楽しめる作品なのである。
女同士の友情物語を絡めての大活躍もツボを心得ているなあ、と。
ただ老醜をさらすシスター・ジルだけは、ちょっとダメかあな。老醜をさらしてもいいけれど、ちゃんと女達のエネルギーを吸ったら美女にもどってくれなくっちゃあ。「美少女ハニー」が「けばい美女シスター・ジル」を倒すところに、ハニーのいささか百合っぽい倒錯的なエロチシズムの美があると思うんだけど…。(シスタージルのハニーへの執着も、そういう色彩があるし。)ラストのわりと安易な落ち着き所も含めてここら辺がちょっと問題かな。
それにしても京本政樹にほとんど台詞を喋らせなかった監督、よくわかってらっしゃる!