ウルトラマンネクサス 第12話

悪夢の世界に入ったショックとともに、ビーストの残滓にとりつかれる孤門。一方、スクランブルがかかり地下へ急行するNR。だがそこにいたのはただのビースト疑似振動波を発する機械をもたされただけの何も知らぬ一般人だった。溝呂木の陽動作戦にまんまとひっかかった彼ら…。
ここで、演技賞ものは、酔っぱらい役のおじさん。哀れっぽく慈悲を乞うさえない中年男から、突如溝呂木に取り憑かれた嘲笑の顔に変化するその一瞬の変化は鳥肌モンだった。こうやって脇を固める人の力が、現実から乖離した話に説得力を持たせる。
それにしても、後から記憶を消すから安心して一般人を恫喝する隊長。とんでもない組織ですな。<NR。わざとだろうが、ここまで感情移入を拒否する地球防衛組織ってのは、なんだかなあ。この隊長のリーダーシップ0ってのもなんかの伏線なのか?
ビーストに取り憑かれた孤門は怒りとともにビーストを殲滅する幻覚を見る。その怒りに支配され、ダークサイドに堕ちようとする孤門を助けるためにあらわれる姫矢。
取り憑かれ、銃乱射の孤門くん。いや、若いながら達者な演技では…。ちゃんと瞳孔を開いて、正気じゃない演技だし。
さらにそこにふらふらと現れるリコ。

ついにリコ=ファウストを露わにする。先週に引き続きリコ役の人のホラー演技が怖いよー。実際先週よりもさらに迫力があったかも。モーフィングによるリコ→ファウストの変化も全然違和感がないし。
そして始まるファウスト対ネクサスの最終決戦。ファウストに圧倒されるネクサスを見て、リコであるファウストに銃を向ける孤門。
みゅう。がんばっているのは分かるけれど、あの効果戦は余計かもー。せっかくシリアスな話の途中なんだから。
ただ、涙をためつつリコとわかりながら銃を撃つ孤門もいいし、その攻撃にわずかな記憶を取り戻し手を止めるリコ=ファウストもよい。いや、切ないいいシーンですわ。
思いがけない展開に、新たなビーストを呼び出す溝呂木。操ろうとした孤門もそれが不可能だったためか、ビーストに始末させようとする。だが、間一髪、孤門をかばったのはリコ=ファウストだった。
そして誰もいない森の中。腕のなかで光と共に消えるリコを抱いた孤門の切ない慟哭がひびき…。
リコ役の女優さんの可愛らしさとはかなさと魔に魅入られる宿命(さだめ)の美しさが際だつ。エンディングに孤門をかばうファウストの姿が入っていないのが、画竜点睛を欠くなぁ。
ところでリコとリコの家族がビーストに襲われたのは、孤門とリコが出会ってから、ということらしい。やはり最初に動物園で出会ったリコは普通の絵を描いていたということで間違いないのか…。
それと、リコを殺したのは、隊員姿の溝呂木?