シュレック2

シュレック 2 スペシャル・エディション
ジェフリー・カッツェンバーグ

お伽の国を舞台に、ちょっとブラックな童話の主人公たちが大活躍のシュレックの続編。沼に住むオーガとお姫様が結婚したら、めでたしめでたし…、にはならなくて、いろいろ問題がある様子。日本のフィクションでは嫁姑問題がクローズアップされるが、アメリカではお婿さんのほうが大変。「奥様は魔女」をはじめとして、義理のパパママに悩まされるハズバンドの話がやたら多い。しかも異種婚ということで、オーガの婿さんもいろいろと大変というお話。
Mr.インクレディブル」の出来にも驚いたが、こちらのCGもホント良くできていて、ついついCGキャラなのを忘れそうになる。キャラの動きも自然だし。すごいなあ。随所に散りばめられたいろんな映画のパロディもとても楽しい。
そして今回出色なのが、「長靴をはいたネコ」。CGの毛並みもふさふさ。私は通常アニメで声優の本来の顔が浮かんでしまうというのは失敗だと思っている。だから、あまりにもアクが強かったり自分を殺して演技をしない役者さんが声をあててしまうと、キャラとして感情移入ができなくなってしまう。だが、この「長靴をはいたネコ」に関してだけは例外だ。なにしろアントニオ・バンデラスがネコやっちゃうんだから。バンデラスのもっているキャラとの落差に、もう涙がでるほど笑えるのだ。いやー、まいったまいった。でもって、やはりあのネコには魅了されます。人類が何千年と「役に立たない」高貴な動物に仕えている理由は、あの力だったんだな。納得しちゃったよ。
さて、日本語吹き替え版のほうも見たのだが、こちらもなかなかの出来。関西弁のシュレックに最初ひいたものの、キャラはちゃんと立っているし、上手い上手い。英語字幕を表示しながら吹き替えを聞いていたんだが、ニュアンスをちゃんと訳しているのに感心。米語は結構持って回ったような表現が多いのが関西弁と共通しているのかもしれない。オーガを「化け物」と訳すのがちょっと気になったけれど、その他はなかなか。またバンデラスのネコの代わりに、日本では竹中直人。こちらもきっちりと仕事をしていて、楽しい。
シュレックの1でお姫様が元の姿にかえらないことが、なんとなーく釈然としなかったのだが、そのことをちゃんとシュレック2では納得させてくれる話になっている。オーガと暮らすためにそれに慣れようとしているんだな、と。けなげなお姫様じゃないか。