ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還SEE

ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 スペシャル・エクステンデッド・エディション
ピーター・ジャクソン


待ちに待っていたLOTRのSEE。40分以上の追加映像だもの。予告編で見たいろいろな映像が見られるかと思うと、封をあけたらもうガマンできない。勢いよく見てしまう。素晴らしいなあ。こういうのを見るとうちにホームシアターを欲しくなる。
まず一枚目の追加映像については、劇場で割愛されたのが不思議なくらいの重要なシーンがいくつかある。特にデネソールが指輪を持ったフロドたちを行かせてしまったのをデネソールが非難するシーンは、これは削っちゃまずいだろう。これがないために、デネソールの狂気が唐突でわかりにくい。ファラミアをへの愛と憎悪がないまぜとなった同族嫌悪が理解されにくい。原作を丹念に読めばそういう描写はでてくるけれど劇場版では不親切極まりなかったもんなあ。
またこれも重要なサルマンの最期。本来ホビット庄掃討後にあるはずのサルマンの死だが、映画ではホビット庄の掃討を省いているために「王の帰還」の直後に起こる。ここでサルマンにセオデン王への呪詛を吐かせているのも上手い。その後のセオデンのゴンドールへの不信とアラゴルンへの隠された嫉妬、それらの迷いをふっとばす烽火への応答という一連の流れへの布石として、非常に重要なのだ。うーん、これもなんで劇場版では削っちゃったかなあ…。ただし、この死の場面で蛇の舌グリマをレゴラスが射殺すのはちといただけない。セオデン王のグリマへの赦しと説得の末の、グリマの凶行なんだから。グリマを殺すのはサルマンのほうがよかったような。
と、ちょこっと文句がないわけじゃないけれど、DVD一枚目に関してはSEE必須という感じ。
逆に後半の二枚目になると、追加された部分がちと冗長に感じたり。いや、見たかったんだけどね、アングマールとガンダルフの直接対決とか。ただし、アングマールがセオデンたちローハン騎士団の到着とともに、ガンダルフの止めをささずにぷいと行っちゃうのは、腰砕け。緊張感に溢れたシーンばかりだったので、ちょっとしたさじ加減で映画全体の流れが阻害されるのだから、うーん映画のカットとは奧が深い。