エマ (5)

確かに身分違いの恋は、永遠のロマンで、今の時代に失われてしまったからこそ美しいのだけど。
でもさあ、このウィリアム坊ちゃんでいいのか、エマさん!エマさんは、やっぱりメイド服着て、メイドの職業に誇りを持ってこそのエマさんで、眼鏡はずしてドレスを着たらエマさんの魅力は半減しちゃうわけで。ハンスのほうがずっといいような気がするのだ。いや、もうそれくらいメイド服をキリッと着たエマさんは魅力的で。坊ちゃんには絶対もったいない。うう、これから先のエマさんがとっても心配!…と思うのは作者の思う壺なんだけどねぇ。
ウィリアムの父ちゃんの昔話とか。(こいつも、ウィリアムと同様にダメなヤツだ。)子爵の思いっきり八つ当たりとか、イギリス貴族のろくでもなさも描いてるなあ。

エマ (5)
森 薫

エンターブレイン 2005-03-31
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ところで、塩野七生のイタリアものなんかでは、ヴェネチアなんぞでは身分違いの関係でも女性が低い身分の場合は貴族と結婚することはあり得ると記述があったんだけどなぁ。フランスでも確かルイ14世の愛人は娼婦の出身を無理矢理伯爵夫人に仕立て上げたんじゃなかったっけ。まあ、スキャンダルには間違いないんだろうけれど。やっぱりラテンとビクトリアの英国とは厳格さが違うのかも。