ウルトラマンネクサス 第35話

力尽き、TLTに囚われる憐。彼の危急を孤門に知らせる瑞生。そして、行動を始める孤門。TLTに反逆することになっても、仲間としての憐を救いたいと説得する孤門につき動かされ、NRは行動を開始する。
えー、もう、このときの隊長がホントいいっすね。孤門の正義感と友情からだけの説得に動かされたわけじゃない。それまでのTLTに対する不信感の蓄積と、自らの人としての良心に従った信念が、あえて勝算のない反逆へと向かわせ、未来がないことをわかっていながら、憐を救いに行ってしまう。なんとも、その苦渋に満ちた選択を表す表情がいいです。描かれてはないけれど、松永管理官と同様、彼にも家族がいるだろうし。組織に刃向かう「愚」は、知っている年だしね。記憶処理は完全に覚悟しただろうなあ…。
それでも、管理官相手に、堂々と「光は人の意志があって初めて戦える。」「光を人類が兵器にしていいはずがない。」といい放つ。漢です!隊長。もっとも、人類存亡の危機において、使える兵器は兵器として使おうとする松永管理官の非情も理解できないわけじゃない作りにもなっているわけで…。
そして情としては憐を救いたいと思いつつも、立場上はそれを言えない吉良沢のこれまた苦渋の選択。(もしかしたらNRの脱出を助けたのは、石堀だけではなく、吉良沢も、なのかもしれない。)
そうやって救われた憐がついに自分の心の中の恐れと苦しみを吐露するシーンが涙もの。「戦っている間は、死ぬことを忘れられる。」と…。光として戦い死ぬことを贖罪として捉えていた姫矢と同様に、今度のデュナミストもまた光の使い方を誤っているわけで。それに気づく副隊長の厳しくも優しい言葉が彼を導く。まったくヒーローしているよ、副隊長。
この圧巻のドラマパートに続く、夕日の中の戦闘シーンは限りなく美しい。かっこいい。これ見ないと本当に損だと思うなぁ。
やはりウルトラマンは街中で戦うことにその巨大な意味があるんだけど、それをより感じさせるために、長い期間が必要だったんだなあ。まー長い期間かかりすぎちゃって、ただ暗いだけという評価にとどまってしまったことが、今の結果なんだよねえ。
あー、来訪者があのクラゲ?というのはちょっとびっくり。(いや、違うかもしれないけどね。)