ウルトラマンネクサスVolume 8

B000A1ECG2ウルトラマンネクサス Volume 8
特撮(映像) 川久保拓司 桐島優介

バンダイビジュアル 2005-08-26
売り上げランキング : 442

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
テーマ的にもキーとなるエピソード「幽声ーコーリング」のディレクターズカット版をひっさげての8巻である。無惨な悲劇を体験したばかりか、忌まわしい記憶を消すはずがその忌まわしい記憶だけが残ってしまった少女理子。彼女は記憶をなくした、敗残の溝呂木と邂逅する。悲劇の元凶が彼であることをお互いに知らず。
自らの失態のために守りきれなかった少女を孤門は今度こそ守れるのか?
そして、少女の「記憶」を消すことが、悲劇からただ逃れさせることだけが、よいことなのか?
急ぎ足のテレビ放映版が残念だったよい作品だ。
さて、そのディレクターズカット版だが、放送版で取り残した説明その他をきちっと入れてあって話としては大変わかりやすくはなっている。繋がりもなめらかになっている。

だが、見たときのテンポは絶対に放映版がいい。これだけの長さの話をよくもまあ、必要十分にぎりぎり切ったという手腕には敬服する。DC版の流れを頭にいれつつ放映版を見るのがベストなような。だから、繰り返し見たくなるのは放映版のほうじゃないかな。

少女理子は、幼いながらも、誰よりも一足先に成長する。悲劇を乗り越え、悲しみを自分のもとのしつつも希望を手に入れる。それもまた、最終回への布石となるのだ。

また太田愛脚本の「妙手」を満喫できる鳥ーバードも入って、なかなか充実した巻。

ああ、ネクサスDVDも残すところ後2巻か…。