ローマ人の物語 17〜20

4101181705ローマ人の物語 (20)
塩野 七生

新潮社 2005-08
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暴君の代名詞とされるネロ。が、まあ、現代の目から見て、決して最上ではないにしろ最悪の政治をしたわけでもない。数々の奇行は目につくものの、「国家の敵」とされた最大の理由は、皇帝の地位につく基盤を失ったせいであろう。
そして後世が彼をかくも「暴君」たらしめたのは、キリスト教徒への迫害を始めたから…。歴史は勝者が書くもの。キリスト教徒の書いた歴史においては、確かに彼は最悪の皇帝の名が冠せられることになる。
国史においては、王朝を滅ぼした皇帝は、けちょんけちょんに言われるのが普通だし、残虐行為の担い手として大衆のファンタジーを投影されることになる。ローマにおいても、それは同様。ただ、ローマでは体制はだけは維持されるところが違うかも。