ウルトラマンマックス 胡蝶の夢

私のウルトラセブン観を決定づけた「第四惑星の悪夢」の実相寺監督作品。
内容については、もう、どこをとっても実相寺アメ。ぽきんジッソー君、ぽきんジッソー君。奇をてらうアングル、舞台劇のような演出、子供を泣かせるコワイお話。じいさん、枯れてないな。現実と非現実を手品のように掌の中でひっくりかえす手並みはまだまだ衰えてはいない。
非常に上手い役者さん二人が、ともすれば薄っぺらくなりがちなドラマを支えているのは確かで、同じ実相寺作品でも、ティガの「花」がぺらぺらだったのに比較すれば、今回は上等。カイトも、その二人のベテランに囲まれつつ頑張っていたし。
まー「胡蝶の夢」やら「デウスエクスマキーナ」やら、言葉で説明しちゃう親切さはちと野暮に思えたけれど。これが、ジッソー君なりのわかりやすい「マックス」だったりして…。
子供にわかりやすいものだけを与えいてもダメだし。ここはひとつ理解不能で怖ろしいものが存在することを教えてやるのも、ウルトラの使命。少なくとも私の子供の頃のウルトラはそういうモンでした。
それにしても、なんの期待もしていなかったマックス、異色作がどんどん並んで、なんだかおもちゃ箱をひっくり返したような様相に。一話完結なのをいいことに、クリエイターが好き勝手に自分の色を出して遊んでいるかのような。マックスに共通するものは、旧作の本歌取りってことだけなのかも。