ウルトラマンマックス 狙われない街

実相寺回、2回目。かのウルトラセブンの名作、「狙われた街」の正統なる続編である。まあ、ご本人がつくろうが、他の誰かがリメイクしようが、名作の続編というのは、蛇足になる確率が高い。てゆーか、それで成功した例を私は知らない。見事な脚線美であろうと蛇の足は蛇の足。
さて40年を経た「狙われた街」の続編は、当然素直な続編に意味がないことに気付いているから、ひねってある。とにかく演出の面白さが光る怪作に仕上がっている。なにしろ知性的な悪逆宇宙人メトロンは地球の少年に助けられて、すっかり地球に馴染んじゃってるし。
まあ、メトロンにとっても、そして多くの人にとっても、この40年で日本は激変したわけで。その変化自体を悲しく見るのは、時を経て不変のものはないという事実を見せつけられるから、なのかもしれない。
夕陽の中に立ちつくすメトロンに、そういった自分自身の悲しみを重ね合わせることで、この「狙われない街」は、心の琴線に触れる。
メトロンは帰る。今の地球を侵略する価値もないものとして。それでも、その地球を守らざるをえないウルトラマンマックスの胸中やいかに…。

ネクサスが長編大河ドラマだったのに対して、マックスは短編アンソロジー。明朗快活な王道路線に戻るとスポンサーだまくらかして、こういう怪作作っちゃうんだから、円谷ってところはあなどれない。