妄想代理人

千年女優、東京ゴッドファーザーズに続いて今敏シリーズ。

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「千年女優」にしろ、「東京ゴッドファーザーズ」にしろ、この上もなく巧みな出来なのだが、なんだか触れても熱くない炎という感じで、その上手さには感嘆するものの、何故だか割り切れなさのようものを感じていたんだが…。なるほどね。今敏の本領発揮はこういう真っ黒な悪意に満ちた作品にあるわけだ。
妄想は自我の投影であるにもかかわらず、それが現実化した力を持つ時、自我を浸食しはじめる。そういう妄想と現実との境界が曖昧になった地平で、秘めたる破滅への欲望が現実化する。あやうい人の心のひだを顕わにする物語だ。
それにしても、ただ笑っているオープニングがコワイ。