ヴィレッジ

ヴィレッジについてもう少し。かなり気に入ったので、DVD購入も視野に入れつつ。
理想郷が壊れる話ってのがやっぱ好きなのかもしれない。皆の善意で創られた赤いガラスの城が砂漠の中を儚く崩れていく、というイメージがあるからかも。(竹宮恵子が「私を月まで連れていって」の作中で触れた小川未明の童話より。)ここからもまた反転。
盲目のヒロイン、アイビーが次代のヴィレッジを率いて行くことになりそうだし。彼女がたとえわずかでも外部と接触してしまったことは、彼女の行く道を大きく変え大きな決断を迫ることになりそうだし。
そういった将来への不安と残された希望を、ほんのわずか匂わせるだけで終わる、というところが、この作品のよいところかも。アイビー役の女優さんは、すごい美人というわけじゃないけれど、泥中にまみれても光る美しさがある。
しかし、最後にアイビーに抗生剤を与えちゃう自然保護区の監視員さんはちょっとまずいよね。医師じゃないと処方できない(これはアメリカでも同様)薬を、患者の姿すら見えないのに与えちゃったわけで。まあ、それだけアイビーが魅力的ってところで手を打てばいいだけだけど。
ラストに自然保護区の監視員の上司として出てくるのが、シャマラン監督ご本人とか。いろいろとイタズラもいれてあるそうです。