ターミネーター3

なにもかも破壊して、最後には、前作まで破壊しちゃったという。いやーやるねえ。

ターミネーター 3 プレミアム・エディションターミネーター 3 プレミアム・エディション
アーノルド・シュワルツェネッガー ジョナサン・モストウ

ジェネオン エンタテインメント 2003-12-19
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あまりにも評判が悪かったんで、見るのがこんなに遅くなってしまった。ターミネーター3。他人の評判をアテにしてはいけません。やはり自分の目で見てみなくては。
確かにジョン・コナーは生意気な美少年から見る影もなくやつれたホームレスの兄ちゃんになってしまっているし、サラ・コナーも出てこない。まあ、彼らの存在理由であったジャッジメント・デイが来なかったのだから、その能力を発揮する場もなく、しょぼくれているのは仕方のないところ。乱世の姦雄は必ずしも治世の能臣にはならないわけで。
そして、未来から送られたジョン・コナーと彼の配偶者を守るべく送られたアンドロイドはジョンを殺した個体をリプログラミングしたものという皮肉。
もともと、無印ターミネーターは、フランケンシュタイン・コンプレックスでいろどられている。人間に牙を剥くスカイネットも。また「人間に似た」アンドロイドが、その機械である本質を徐々に表しながら、追いかけてくるという悪夢も。それをねじ曲げ、アンドロイドに疑似父親をさせてしまった「ターミネーター2」は、作品としては良くできているものの、最初の出発点から考えると納得できない話。
それを力業で無印の路線に戻してしまったのがこのターミネーター3、と言える。アンドロイドはやはりプログラミング次第で味方にも敵にもなるし。味方になったアンドロイドに父親を見るのは、人間の側の単なる思い入れにすぎない。彼らの思考ルーチンや感情と似たようなものがあるとしても、それは、人間の「思考」や「感情」とは全く別物なのだから。
上手いな、と思うのは、最初にシュワルツネッガー・ターミネーターに「嘘」をつかせていることだ。これでアンドロイドは「目的」に合致するのなら「嘘」が言える、ということの伏線になる。それが「嵐」のサプライズ・エンディングに繋がるわけで。