フロムヘル
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19世紀ロンドンの暗く陰鬱な雰囲気、娼婦たちのおかれた悲惨な状況だとか、は大変よくできている。ユダヤ人への偏見と排斥も描かれていて、すでに、ホロコーストへの道筋が出来ていたことも伺わせる。
で、肝心のお話だけど、フリーメーソン来たーって、ことで、王室の暗部来たーってことで、個人的には割と面白いんだけど、なにしろジョニー・デップの警部殿がアヘンで幻視を見て、それが手がかりになるという描写がでてくるのが難点。せっかくの陰謀モノなのに。
イアン・ホルム@ビルボ・バギンズが外科医のフリーメーソン幹部の役。彼の名演は素晴らしいのだけど、さて陰惨極まる猟奇殺人の動機としては、あまり納得のいくものじゃないような。映画としてはとにかく雰囲気に流れてしまった、という感じ
ところで、極私的に受けたのは、バッファロー・ビル率いるワイルドウェスト一座のポスターをジョニー・デップ警部殿の上司が持ってきて、「犯人は新大陸から来たインディアンだ!」って言っているところ。ワイルド・ウェスト一座ってヨーロッパじゃ有名で、しかもバッファロー・ビルとジャック・ザ・リッパーって同時代人だったのね。(恥ずかしながらデンバーでバッファロー・ビル博物館に行くまで、バッファロー・ビルについてまったく知りませんでした。)