ロッカーズ

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ロッカーズ 通常版ロッカーズ 通常版
斉藤ひろし 陣内孝則 中村俊介

ビクターエンタテインメント 2004-03-19
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俳優陣内孝則の初監督作品。ということもあって、まあ、いろいろとつけば欠点はボロボロでてくる。俳優の余技、出演者が豪華な自主制作映画、と言ってしまうのは簡単なんだけど。でも、極私的にはよくできていると思う。
ちりばめられたギャグにしても、通常レベルの邦画のとても笑えないようなモノに比較すれば、ウィンナコーヒーのようなベタさも手伝って、笑えるし。ライブシーンもかなりの迫力を秘めている。
一番感心したのは、この中で喋らせている博多弁が非常にナチュラルなことだ。博多や福岡の出身の俳優さんではないのに。聞いていてゾクゾクすることがない。普通に、ここらへんで喋っている「若者」の博多の言葉(ここ重要)。福岡を舞台にした大抵の映画やドラマでは、若者なのに古い「博多弁」を喋らせたり、聞くに堪えないようなイントネーションだったりするのに。
少々カリカチュアされているけれど、人物のキャラも、博多にありがちなパターンをちゃんと踏襲している。主人公もその周辺もいわゆる「のぼせ」と呼ばれる目立つことしか考えていない横道もん(道理から外れた人)。クラスに一人はこういうヤツいるよね、というタイプなのだ。そういう「のぼせ」がミュージシャンを目指すというのは確かにナチュラルな話。ここらへんは陣内監督の自伝のようなので、当たり前といえば当たり前かもしれないけれど。
博多(福岡)という土着がはっきり見えているということで、この映画は評価すべきだと思うんだよなあ。これ以降に陣内監督が改めて完全フィクションの映画をとれるかどうか、については未知数だとしても…。