山猫 イタリア語・完全復元版

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19世紀の終わり、新旧交代に揺れるイタリアを舞台にルキノ・ヴィスコンティが描く残照の物語。階級の交替の中で、没落しつつある貴族の黄昏…。
イタリア絵画そのままに繰り広げられる豪華絢爛たる舞踏会のシーン。ミラノ大公ヴィスコンティ家の血筋に連なるという監督なので、調度品も本物とのこと。ルキノのためならって、貴族がエキストラにもでてくれるんだから、やっぱり底力が違う。全然違う。
バート・ランカスターが上手なのは言うまでもないんだけど、次世代を担う甥っ子役のアラン・ドロンが、なにげに難しい役をこなしている。登場したての時は夢多く希望に溢れた青年だったものが、徐々に世知にたけて理想を忘れていく様を、表情ひとつで、体現してみせる。ドロンはもちろん永遠の二枚目なんだけど、本当はそれだけで終わらない役者さんだよな、と改めて思う。