X-MEN ファイナルディシジョン

公式サイト http://movies.foxjapan.com/x-menfinal/
アメコミ映画X-MENの三作目。前作のラストで湖に消えたジーン・グレイ…。彼女の生死は?というところで、原作をちょっとでも囓っていると、おお、フェニックスの登場だね!とあたりはつく。その期待通り、話はフェニックス編。ジーン・グレイの生い立ちから追わないといけないので、それだけでも話は複雑なのに、人間側の動きとして、「ミュータント」を治す薬「キュア」が開発されいて。それに反発するマグニートーを筆頭とするミュータントたちと、X-MENたちは戦うことに、と話は無駄に錯綜している。他にもどかどかと原作キャラが登場しているために、いや、もう忙しいったらありゃしない。
そのため話のフォーカスがぼやけて、せっかくのミュータント対人間の戦いの狭間で苦悩するX-MENの物語もなんだかおざなり。宇宙からきた生物ではなくて、二重人格という落ち着いた設定にされたフェニックスの暴れっぷりもいささか地味。赤毛の破戒神としてマグニートーも敵わないような大仕事をやってくれるんだとばかり思ってたのになあ。
SFXはマグニートー御大の力業やら(でもアルカトラズってあんなに近かったっけ?)もあわせて、素晴らしい出来なのだが、こういうどんちゃか破壊っての、刺激の飽和がやってきていてる感じがする。あー、すごいすごいって感じで…それだけを見る映画ではもう保てなくなっているのかも。
「キュア」の存在とその効果は、本当ならば物語自体を殺しかねないような深いジレンマを投げかけるんだけど、投げっぱなし。人間たちが「キュア」を武器として使用したら、いくらなんでもX-MENは人間側に与するわけにはいかないんじゃないかと個人的には思う。
…って、ネタバレせずに書けるのはこれくらいかなあ。
エンジェルの話は顔見せ程度であんまりストーリーには絡まなかったけれど、悪くなかったし。インテリなビーストも良い味だしてました。いかんせんキャラが多すぎて一回見ただけじゃ整理がつかない。