ライフ・イズ・ビューティフル

イタリア映画。監督、脚本、主演をすべてベニーニが担当している。
前半は楽しいラブでコメなお話で、冷たく仕事一途な男よりも雨の中をクッションを傘にして踊りまくる愉快な男を選ぶ良家の令嬢の話。でも、それで話は終わらない。第二次世界大戦の暗雲は幸福な彼らにも翼を広げ、彼らは収容所に送られることになる。

ライフ・イズ・ビューティフルライフ・イズ・ビューティフル
ロベルト・ベニーニ ニコレッタ・ブラスキ ジョルジオ・カンタリーニ

角川エンタテインメント 2005-08-26
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イタリア系のユダヤ人である彼らはイタリア語しか使えない。国境を接していながら、実は言語がかなり違うドイツとイタリア両国の事情。この言葉の違い利用しての収容所で「父」の一代芝居をうつ。地獄のような収容所を「子」に悟られぬために、「これはゲームなんだよ。」と…。
現実の怖ろしい収容所の話は幾多ある。彼らを襲った現実はとても厳しい。多分こういう嘘に子供は騙されてくれないだろう。ガス室を免れることは、ひどく難しかっただろう。
だから、この話は、「これは単なるゲームだよ。希望すればお家に帰れるんだ。」といいたかった父親たちへのお伽噺として受け止めるべきだ。子供にだけは悲惨な現実を見せたくなかった親たちのための。子供には最後まで、「カッコイイ」おどけた姿を見せたかった父親のための。
そう考えると、乾いた銃声がとても悲しい。