ハイビジョンクラシック館 モネ劇場公演 歌劇「さまよえるオランダ人」

http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=501&date=2006-11-04&ch=10&eid=6233
ワーグナーのオペラ、「さまよえるオランダ人」をベルギー・モネ劇場で録画したものの公開。7年に一度しか陸に上がることも許されず、その時に乙女の純愛が得られない限り、死ぬこともできない幽霊船の船長のお話。乙女ゼンタの愛の証明の入水により、幽霊船は海中に没す。
原題はDer fliegende Holländerだけど、Flying Dutchmanと英訳されていて。そういえば映画「パイレーツ・オブ・カビリアン」にも船の名前としてでてきたっけ。
ハイビジョンの威力をいかんなく発揮。凝りに凝った舞台美術をあますことなく楽しめる。
近頃のオペラって、わりと現代風の衣装ってのが流行みたいで面白い。袖の長いパーカーを着た幽霊船員ってのも、なかなかシュールな眺め。貞淑の乙女ゼンタの衣装が白で、そこに照明で模様をつけて心象風景を表していくのも今風だなあ。
ありていに言っちゃえば、三角関係の話だけど、清浄なる乙女の犠牲により幽霊船が浄化されるってのは、真間手児奈を思わせる。洋の東西を問わぬ海洋への怖れと人身御供の習慣の名残なのかもしれない。
こういったオペラは劇場で見るのがもちろん一番だけど…。ハイビジョンで気軽に見られるのは嬉しい。しかも、残念ながらドイツ語を理解しない身にとってはは、字幕の存在もありがたい。
ただ、どうしても歌手がアップになると、プリマドンナは大きな口をあけて歌っているので、喰われそうでコワイという欠点があります。