ファンタスティック・フォー

昔懐かしの「宇宙忍者ゴームス」(…って日本で勝手につけた名前ですが。)その元ネタアメコミ、「ファンタスティック・フォー」の実写版。宇宙船での事故によって超能力(?)を身につけた4人組が活躍する正統派ヒーローもの。

ファンタスティック・フォー[超能力ユニット]ファンタスティック・フォー[超能力ユニット]
ティム・ストーリー ヨアン・グリフィズ クリス・エヴァンス

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宇宙線(?)を浴びたがためにDNAが変異して、超能力を身につけるのですが、同じ宇宙船に乗り込んだにもかかわらず何故4人+敵役ひとりの症状が極端に違うのか?という根本的問題にツッコムのはナシね。もともと火の玉ボーイ(ヒューマントーチ)、透明人間(インビジブルウーマン)、岩石人間(シングス)、ゴム状人間(ミスター・ファンタスティック)という、アイデア的ヴィジュアル的にもとってもユニークな能力でツッコミ無用の雰囲気を醸し出しているし。
その実写化には、一体どうやるんだ?と疑問に思っていたんだけど。恐る恐る見たところ、さすがCG技術の進化!手足伸び放題のゴム人間という気持ち悪いものを、さほど違和感なく見せてくれる。Pixarアニメの「Mr.インクレディブル」のほうが生々しさを感じたぐらい。
話自体は、とにかく何も考えずに次々と繰り出されるコメディ的状況をあきれつつ乗るしかない。高速道路でたったひとりの自殺志願者を助けたがために他のクルマが次々に事故をおこし、状況が雪だるま式に悪化していく様子は、コメディの典型ながら笑っちゃいました。それにしても、それだけの事故の引き金を引いたにしては、消防車を助けただけで拍手をするアメリカ人って…。
4人のあまりヒーローらしくない性格とそのやりとりも楽しい。気弱生真面目な科学者肌のミスター・ファンタスティック。美人だけど一番キレやすいインビジブルウーマン。いたずら小僧で、おバカなやんちゃのヒューマントーチ。そして異形と変わったことの悲しみを背負うのは、体力勝負っぽい外見のシングス。まあ、彼だけが常に能力が発現しているので、割りを喰ってるわけだが…。
ヒーローの能力を得たことを享受するものと、それによって孤独となってしまったものと…それによるお互いの軋轢と和解と。「XMen3」と同じような話とも言えるのかも。難しすぎる問題に突っ込まなくてもいいのに突っ込んだ挙げ句ほっぽり出した「XMen3」よりは、おバカなコメディに徹した「ファンタスティック4」のほうがまだ好感が持てるなぁ。
なお、昔懐かしのアニメ版はCSの「トゥーン・ディズニー」で放映してます。本放送を見たコトないけれど番組CMがおバカな感じで面白いゾ。