図書館内乱
図書館が武装せざるをえなくなってしまった世界を描くデストピア小説「図書館戦争」の続編。
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当然のことながら政治的な駆け引きの中に放り込まれる。しかも、図書館自体も一枚板ではない…。
と現実の「戦争と政治」の関係の反映を盛り込みつつ、続編。まだまだ続きます、って感じだけど。
分厚い本を一気に読ませるだけの面白さはあるんだけど…なんだろう、この違和感は…。出てくる主人公たちのあまりにも軍人らしくない態度とか言葉遣いとか、かなぁ。
仮にも上司、上官に対する態度が「甘え」ばりばりなのが気になるところ。軍事的組織ならずとも普通の会社であってさえも、これじゃ問題になりそ。なので政治的駆け引きに関する記述もかなり甘いよねぇ。
ただ、その中で主人公たちに絡んでくる肉親問題は、わりと生々しくて、面白かった。意識的、もしくは無意識的に「肉親といこと」や「愛情」を利用する人間がいる。肉親という動かしがたい事実があるので、これが切り捨て難いことも確か。ここのところは、共感も手伝って、読ませるものがあったと思う。
この作品はライノベでは物足りなくなった読者を「大人向け」小説に引き込む途中段階のような小説だけに、文庫版が出ていないのが惜しいなあ。