CMと番組との間

先日から「あるある辞典」というテレビ番組の捏造問題が明るみにでて、一挙に「納豆」が売れなくなって大騒ぎ、という話がニュースになって飛び交っているんだけど、さて、これって一体「何が問題」だったんだろう?
最初私も影響力のあるテレビ番組が、納豆業者と結託して、自分たちの都合のいい結果ばかりを放映したってことがまずいと思っていたんだけど。ちょっと待てよ。これ、民放だよね?常々、「ほら、こんなに真っ白に!」ってあんまり根拠と実効がないCMをえんえんと長し続けてきた民放だよね?これが番組ではなく、納豆業者のスポンサーのCMであれば、実はなんでもなかった話にならないかな?少なくとも、変な健康食品のCMではこれに似たようなことをいけしゃあしゃあとやっている。
近頃、スキップ可能な録画技術発展によりCMを見ることがなくなった人間ってのは、増えている。かくいう私もそのひとりだ。そうなると業者のほうは自衛のために番組の中にCMを埋め込むことをし始める。おそらく、その大きな成功例がこの番組だったんじゃないかな?CMをそれと意識せずに見させることができる番組、たしかにこれは宣伝として最強だ。(私自身はこの「あるある辞典」という番組を見たことがなかったんで、間違っているかもしれないけれど。)
現実には、ニュースですら、とりあげるか否かの偏向で、一種のCMになることができる。ニュースを注意深くみれば、あきらかに宣伝とおぼしきものもあるしね。
この状況はやっぱり放置しちゃいけない。つまり、この番組の体をしたCMというものに、一定のガイドラインを作る必要があると思う。
たとえ、そういったガイドラインができても、違反する奴らはいくらでもいそうだから、視聴者側は、番組内で言っていることに、スポンサーの意向が反映している、ってことを念頭においておく必要もあるしね。
ここまで乱立する健康情報は、一種の不安の裏返しだ。そういった不安につけ込むテレビの送り手側のやり方も汚いんだが、そういった明らかに間違っている情報を放置している、医療や保健衛生の関係者にも責がないとは言えない思う。

追記
慣れない時事問題への言及で舌っ足らずだったみたいなので、もう少し追記をすると…。
つまり「あるある〜」などという番組は「雑誌に、記事のようなレイアウトで書かれてるけど、よく見るとページの端に「PR」って入っている」ようなものとよく似ていると思うのだ。で、今回の事件の問題点は「PR」と書かれていなかったことにある、と。
こういった番組内でのタイアップでCMとは見えない、といったやり方は、今後もさらに巧みになって、増えていくんじゃないかと、私は危惧している。だから表面的な叩きではなく、そうなる前に根本のシステムとして対策をたてておくべきだと思うのだ。二人のウェルズ事件(ラジオドラマ「宇宙戦争」で、聴視者を暴走させた事件)を契機として、ライブニュースの恰好をしたドラマを作ってはいけないというガイドラインができたように。
(実はCMだってものによっては薬事法によって縛られているのに、こういった番組内ではそのくくりさえなさそう。そりゃ、かなりまずいよね。)