パニッシャー

パニッシャーパニッシャー
トム・ジェーン/ジョン・トラボルタ

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2007-02-16
売り上げランキング : 27008

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
アメコミヒーローの「パニッシャー」の映画版。暗黒組織に家族をすべて殺された捜査官の凄惨なる復讐劇。FBI捜査員(映画設定)のフランク・キャッスルが、アメコミ随一のダークヒーロー「パニッシャー」になるまでの、物語。つまり、パニッシャー・ビギンズといったところ。だから無敵のダークヒーロー、パニッシャーじゃない、覚悟完了前のヘタレ具合。とはいえ、主人公だからどんなに弾をくらっても死なないほど異様にじょーぶいけどね。
話はとことん暗いし、一匹狼の復讐譚ということで、なんだか昔懐かしい日本映画ハードボイルドを彷彿とさせる内容。(かなり痛そうなシーンもあるので、それはスキップして見たけど。)
それにしても、直接手を下さずに、妻と親友を謀略で殺させるというのは、ダークといえどヒーローのやるこっちゃないですな。こういう陰険な手は、本来弱いもの、力がないものが、他に方法がないからやる手段なわけで。それやってなきゃ、ひとりで乗り込むんことが「これは復讐ではない、制裁だ!」ですむんだけどね。最初に組織のボスの息子を殺しちゃったのはフランク・キャッスルだし。その悲哀と復讐心に「理」がないわけでもない。だから「対価」は等しくないと「正義は死んだ」にならないような気がする。
ラストの車の炎上と、俯瞰で見せる炎の「パニッシャー」のトレードマークの歪んだスカル。ビジュアルでにやりとさせるよいシーンだね
こういった「法が裁けぬ悪はオレが裁く」式のヒーローはアメコミには珍しいらしいけど、日本には伝統的に多いよね。仇討ちの習慣と、法が御上から押しつけられたもの、という社会構造のためかもしれないな。