ザスーラ

ザスーラ コレクターズ・エディションザスーラ コレクターズ・エディション
ジョシュ・ハッチャーソン ジョン・ファブロー ジョナ・ボボ

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2006-11-29
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ゲームで指示された内容がそのまま現実になってしまう、という「ジュマンジ」の設定をそのままでの別の話。続編とは銘打たれているものの、設定が同じだけで、「ジュマンジ」とは全く関係がない。
仲が決してよくはない兄弟。ある日弟が見つけてきた古い盤ゲーム。だが、そのゲームが始まると、兄弟は広大な宇宙での冒険に巻き込まれていく…。ゲームを終わらせなければ、「普段の生活」には戻れない…。ということで、いきなり宇宙空間(でも空気はアリ)に家とともに放り出された幼い兄弟たちの冒険だ。
ジュマンジ」が乗り越えることのできないエディップスコンプレックスが主題であったのに対して、今回は両親の離婚によってそれぞれに傷ついた兄弟の、愛憎が主題。
「ダメでみそっかすな弟がウザい、腹立たしい。両親の離婚もきっと弟のせいに違いない。彼奴がいなくなれば、きっと…なにもかも上手くいくんだ…。」弟を愛していても、そう思ってしまう兄。
「いつも意地悪な兄さん。ボクのことがきらい…。だから、ボクも兄さんなんか嫌いだ。」兄に構って欲しいからこそ、愛情が受け入れられないことにフラストレーションを持つ弟。
そんな二人の心のすれ違い。だから、協力しなきゃ帰還できないゲームに巻き込まれても、やっぱりケンカばかり…。
そんな二人が冒険を通して、なんとか相手を認めあうことを学んでいく、というお話
宇宙空間だからど派手なCGでの宇宙戦争がんがん。不気味な敵対宇宙人や、ブログラムが上手くいっていないロボット、はては巨大流れ星まで。ギミック自体も古きよきスペースオペラで、楽しいんだが。何故か地味な印象が…
ジュマンジ」ではやはりロビン・ウィリアムスのけたたましい演技が、よくも悪くも目をひくんだけど、そういった存在感のある役者さんがいないからなあ。とはいえ、兄弟を演じる子役二人の、微妙な関係を非常に上手く演じていたと思う。
なんでも願いがかなう「流れ星」を上手く使って、兄の後悔を美しく終わらせるプロットはとてもよくできている。さすが名作児童文学。
ところで、このザスーラ世界の宇宙に空気があることをツッコミいれるのは、実は野暮というもの。何故ならザスーラ世界はダニーの想像力によって作られた世界なのだから。最初の部分で、父親が「お前は想像力に長けている、宇宙だって創れる」って言って伏線はってあるので。