ハドソンホーク

ハドソン・ホークハドソン・ホーク
ブルース・ウィリス

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2006-09-27
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なんの前情報もなしに見てしまったバカ映画。主演も脚本もブルース・ウィリス。こちらもゴールデンラズベリー賞をナン部門も取ったらしい。
冒頭、いきなりルネッサンス期イタリア。ダ・ヴィンチ先生がいて…アレ?なんか映画を間違えたかな?と思ったら、ちゃんとシカゴニューヨークに飛ぶ。(ごめん、見返したらシカゴじゃなくてニューヨークだった。)
主人公はシカゴニューヨークの刑務所を出てきたばかりの泥棒。所持品返却シーンがあったり、相棒がクルマで迎えにきていたり、と。変なところで「ブルース・ブラザース」レスペクト。しかしカプチーノが大好きな主人公は、いつも邪魔されてカプチーノが飲めない上に、まわりは折角足を洗った泥棒家業にひきもどそうとする奴らに囲まれて。「神のミッション」ならぬ「悪のミッション」へ引きずり込まれ、イタリアローマへ。
何故だかダ・ヴィンチの至宝をめぐってCIAに世界征服を狙うイタリア人カップルにバチカンまで入り乱れて、まー、なんでこんな無茶な話なんでしょう。いつの世もダ・ヴィンチ先生ってば、人騒がせ。主人公は主人公で、相棒とふたりで泥棒に入るときは常に歌いながら。(ちゃんと歌の時間を秒単位で記憶していて、それが時計がわりになっているらしい。)なので泥棒シーンは、何故かミュージカル仕立てとなる。しかもその選曲が、あまりにも脳天気。
泥棒の話だから、メトロポリタン美術館からローマのカステロサンタンジェロまで、各地を豪華ロケーションして、バカ映画にしてはお金がかかってるんだよな。
それなのに、イタリアのレストランでケチャップを注文して、ウェイターが大憤慨という定番の人種ネタとか、メル・ブルックスばりのどうしようもない下ネタとか。これ以上ないくらい脱力系ご都合主義オチとか。ハリウッドアクション大作へのあてこすりとしか思えない。メルちゃんが好きな人ならば、絶対に楽しめます。
ジュリア・ロバーツ峰不二子スパイなシスターも、芸風がちがっていて新鮮。今はなきジェームズ・コバーンが悪役やって、長い足でカンフーやるのは悲しいが。
私、実はブルース・ウィリスって好きじゃなかったんだけど…。この映画を見て気が変わった。こういうどうしようもないバカ映画を作ろうとするスターさんってそうはいないわ。ちょっと尊敬しちゃったよ。
追記
洒落た会話がキモなこの映画。ああ、それなのに字幕が酷い。(嘆)私程度の聞き取りでも、そりゃないでしょ、と思う場面が幾多も。
戸田奈津子先生、1991年当時から誤訳の女王だったんですね。