BS世界のドキュメンタリー <イラク 開戦から4年> アメリカはなぜ闘うのか 超大国への警告(再)

シリーズ後編では、アメリカ政府が推し進めてきた帝国主義的政策によって国民が翻弄されている現状を浮き彫りにする。
経済的な理由から軍への入隊を考えていた23歳のソロモンは、「軍での経験が今後の人生に活かされる」というスカウトの言葉を鵜呑みにし、入隊を決意する。9・11テロで息子を失ったセクザーは、イラク攻撃で使われる爆弾に息子の名前を刻むことで無念を晴らそうとするが、後になって、イラクアルカイダに繋がりが無かったことを知り、国に裏切られたという大きな失望感を味わう。イラク戦争の開戦直前まで国防総省にいた女性は、アメリカのイラク政策を決めていたのが、政府に強い影響力を持つ保守系シンクタンクのメンバーであったことを証言。巨大化した軍産複合体は、アイゼンハワーの警告通り政府機関の中で大きな影響力を獲得するに至り、何も知らない国民を戦争に向かわせている。

後編を録画して視聴。
軍産複合体とはMilitary-industrial complexの訳語だ。だが、それは軍と民間の会社ということに留まらない。そこにもう一枚、戦争に関するアイデアプランを製作立案するシンクタンクが大きく影響を持っている、という話に。世論誘導を得意とする彼らが、どうやってアメリカを戦争に向かわせるかという彼らの戦術を描いていく。
ベトナム戦争におけるトンキン湾事件湾岸戦争における油まみれの水鳥や未熟児保育器事件報道、そしてイラク戦争での大量破壊兵器…。枚挙のいとまもないほどの「でっち上げ」とそれによる「マスコミ操作」。情報によって動かされる我々の社会、情報を握るもの、情報を上手に操作していくものに権力が握られる。
彼らは目的のためならウソをつくことに躊躇しない。