ステルス

AIを積んだ最新鋭の無人戦闘機エディが暴走を始めて…という古式床しいコンピューターの叛乱もの。暴走の原因が落雷というこれまたフランケンシュタインコンプレックス丸出しの内容をスピード感だけで誤魔化せるすんごいCGで見せる映画。いや、ドグファイトシーンなんてホントよくできてんだわ。
それにしもて、このステルス、爆撃機ドッグファイト戦闘機も両方こなすスーパー戦闘機。一応現存する世界の名称はでてくるものの、これは近未来SFとして戦闘機についてツッコミしないほうがいいのかもしれない。
随所随所、たとえば空中給油機の爆破のシーンとか、間近で爆発する飛行機の破片にさらされながらのパラシュート落下っとか、ビジュアル的な緊迫した見せ場はたくさんあるのに。全体としてシナリオががたがたなのが惜しいというか…いや、惜しいという言葉を使うほどにも価値はないというか…。
陰謀めぐらしてまで、エディを作らなくちゃいけない理由がさっぱりわからないし、その陰謀がばれそうになったらさっさとエディを消滅させようとするし…。一体君何がやりたいんですか?と
意味不明に挿入されるタイでの休暇のシーンとか、無駄に殺されるパイロットとか。女性パイロットのほうは死んでも不思議ない状態をしぶとく生き残るのに、男性の黒人はあっけなく壁に激突ですか。
エディはエディで、HALを真似して暴走してみた挙げ句、すっかりよいこのナイト2000になっちゃってまあ…(^^;;;行きがけの駄賃のように、迷惑かけられた挙げ句殺される北朝鮮の人たちが気の毒で気の毒で…。
ってことで、噂通りの、清々しいまでのアメリカンエゴセントリックなダメシナリオでした。