クリスティーン

内気ないじめられ高校生アーニーと58年型プリマスの出会い。それが不吉のはじまりだった。意志を持つクルマクリスティーンが、アーニーの心とともに復讐を始める。キング原作のホラー映画

クリスティーンクリスティーン
キース・ゴードン

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2006-11-29
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船やクルマって、英語で必ず「She」と女性人称。昔っから「女性」のライバルとして扱われてきたのか…?エンスーなどという言葉があるくらいクルマオタクってのは処置なし(笑)なんだけど…。「クリスティーン」はそんなエンスーの夢もしくは悪夢の映画。
心をこめて手入れをしてやれば、なついてくれるし。乗り手の気弱な性格も何故か改善して、学校一の美女もゲットだぜ!果ては、自分で故障も傷も治して新品同様。挙げ句の果てに、気に入らないヤツは病院送り。虐めっこから口うるさいガールフレンドまで、勝手に謀殺してくれる。ああ、便利(違)。
ま、こういう設定の物語は結構多いんだけど、「クリスティーン」のクラッシックなアメ車らしい真っ赤な車体が、禍々しくてよいですな。あの車を「クリスティーン」に持ってきただけで映画は半分くらい成功している。彼女の意志を顕すラジオのオールディーズ・ロックと青い光。かっちょいい。
また、主人公アーニーを演じるキース・ゴードンの取り憑かれ演技がいい。気弱ないじめられっ子から、一種の怪物と化して、親友や元彼女を轢き殺そうとするまで、目の光りと表情ひとつで、変えてみせる。
女優さんが学校一の美女に見えないという指摘はいろいろあるみたいだけど、アメリカの基準から言うとわりと人気ありそうなアメリカンイモネーちゃん。あれで赤毛だと、MJのイメージなんだけどな。ちなみにブルネットの髪は彼女が「賢い」というイメージを顕していて、美女の金髪女は「頭カルそー」ってことになっている。そういう記号はちゃんと押さえてます。
それにしても、こういう映画を見るたびに、アメリカの学生の閉塞感ってのを感じて。どこの学生でも基本的には変わらないですな。

ところで、うちのティーダも意志を持って、「洗車」に行きたがります。カーナビが洗車場を必ず通りたがるのはそのためです。