しゃばけ

今日も元気よく(?)寝込んでいる薬種問屋の若旦那の一太郎。妖怪たちに守られて、次々におこる事件を快刀乱麻(?)に解決

しゃばけしゃばけ
畠中 恵

新潮社 2004-03
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実は飛行機の中で読もうと買ってきた本。現実逃避も手伝ってついつい手をだしてしまいました。用意する時間が残り少ないのにねぇ
身体が弱いために、周りから手厚く擁護されている若旦那が主人公の一種の車いすの探偵モノミステリなんだけど、妖怪がでてくるのでファンタジー要素が強い。という、ちょっとカテゴリーわけに困るような江戸人情話。
忠実な手代たち(実は妖怪)や、子煩悩な親たちから、極端に甘やかされたにしては、極めて真っ当に育ち、妖怪にも人間にも変わることのない優しさを注ぐ人の出来た主人公が非常に好ましい。いやーいいキャラだ。(いや、私も子供の頃身体が弱かったのでわかるけれど、庇護され一人前扱いされずに寝ているのもそれはそれで結構大変なのよ。)
菓子屋の長男なのに不器用で菓子が上手くつくれない栄吉とか、我が子だけが兎に角大事の一太郎の両親、時折、ギラリと妖の性を見せつける手代二人とか、とにかくキャラ立ての上手さにうなる。
っつーか、この主人公、どうしても電王の良太郎に重なって思えて。二人の手代はさしずめモモタロスとウラタロス。脳内劇場では、佐藤健演じるところの一太郎が「若だんなが熱だしたー!さあ、大変だー」とばかりに布団でぐるぐる巻にされているところが絶賛上映中。
文章も非常に読みやすいのに、ハナにつくような現代言葉が目立ったりしない。江戸の風俗もきちんと調べた上で描かれていて好印象。
ということで、続きの短編集を出発前に買いにいかなくちゃ。