幸せのちから

ホームレスから億万長者となったクリス・ガードナーの半生の実話を元に描く親子のドラマ

幸せのちから (出演 ウィル・スミス)幸せのちから (出演 ウィル・スミス)


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ウィル・スミスの走る姿は、かっこよくてきれいだった。でも、それだけ。
確かにウィル・スミスはおさえた演技に終始しているけれど、やっぱりウィル・スミス。地金がどうしても隠せない。どん底生活の描写はえんえんと続くのだけど、それが何故改善するか?という成り上がり物語の部分が極めて少なくて、単なるラッキーが降ってきたようにしか思えない(というのもアポイントをとっている場面しかでてこないです。)やっぱりMacOSでウィルス送り込んで宇宙船を撃破しちゃう無茶男にしか見えない。
だから、医療機械を持ったまま走ったり、取り返したりというドタバタも、それやったら精密機械は修理なんてできないくらいに壊れるし、そうでなくても売り物にはならなくなるでしょ、なんて細かいところが気になりだすわけだ。(もちろん、映画の中でも、その医療機械はこわれちゃうわけだけどね。)コメディに徹するのか、それともダメな親の人情ものにしたいのか、そのどちらも中途半端になっちゃったって感じがある。
なによりも、どん底な上に無給で生活しつつ夢を追うのならば、子供を公的な機関に預けずホームレス生活に巻き込むというのは間違っているっしょ。「子供と自分はいっしょにいないとダメなんだ」ってのは、大人の側の甘えと依存。だからどん底生活部分ではそういうダメ父にいらいらするばかり。笑わない子供のほうが気の毒。
「デジャヴ」のデンゼル・ワシントンと役を交換すると、ちょうどいいんだけど。
…それは彼らにとって今までのはまり役通りになってしまって面白くないってところかもしれない。スターだからこそ、ここらで一丁どんな役でもこなせますってアピールしたいのでしょ。でも資質以外の役をやるには両方とも演技力に恵まれているわけじゃないしなあ。