エラゴン 遺志を継ぐ者

ドラゴン・ライダーが活躍するアクション・ファンタジー

エラゴン 遺志を継ぐ者エラゴン 遺志を継ぐ者
エド・スペリーアス クリストファー・パオリーニ シュテフェン・ファンマイアー

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2007-05-18
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原作小説はベストセラーらしい。未読なので、この映画だけで評価するのは気の毒なんだけど、なんというかコンピュータジェネレイテッドなファンタジーという薄っぺらな設定。ドラコンが選ばれた勇者が自動的にドラゴンライダーとなり、世界を救う救世主になります、という…使い古されて古ゾーキンになったような…。
育ててくれたおじさんの家を急襲され、自暴自棄となるところを身分を偽った老剣士に導かれ、囚われのお姫様を救いに行く…。いやーどこかで聞いたことのある話。
ま、ジェダイ騎士の物語ももちろん神話伝説の英雄潭の集積の上で作られたパルプフィクション(笑)だからオリジナリティは欠片もないけれど。それでも、そんな話を臆面なく宇宙にあげちゃったところに、エポックメイキングはあったんだが。今回はまんま中世ファンタジーだからなぁ。
原作ファンのサイトを回ると、どうも映画は重要なところをはしょって、急ぎ足だったらしい。まあ、長編小説を映画化すると、こういうことはありがち。本来描くべき、ドラゴンライダーになるまでを省略して、主人公とドラコンとの主従関係が最初から出来上がってしまっているので、どうにも緊張感のない話になっちゃった。恐ろしいドラゴンを、自力で乗りこなしてこそのドラコンライダーだと思うんだけど、ドラゴンが最初から人間の言葉をしゃべっているので甘い保護者でしかない。しかも、ドラゴンが雌なので、余計にママっぽくなる。それにドラゴンのCGはスピード感で誤魔化しているけれど、顔に精悍さが足りなくて鈍重な感じがある。
さて、まあ、映画としてはダメダメなのは、もう途中から諦めたんで、よかった探しでもしようかと思ったんだけど…これがなかなかなくて。
とにもかくにも主人公の男の子が本当に冴えない。…でも考えたら、「スター・ウォーズ」のルーク・スカイウォーカーにしろ、「マトリックス」のネオにしろ、なんだかぼわーんとしたのが救世主たるものの特質だから、これでいいのかも。
無知なる異教徒の目から見れば、本家本元のイエス・キリストも、実のところ何を為したのか?ってのがあまりはっきりしてない気がする。皆の罪を背負って、十字架にかかったということが救世主ということで、一種の生贄の役割のような…。カリスマとは空の器。人々の期待と憧れを盛るには中味があっちゃダメなのかも。
と、見ながらどんどん脱線していきました。