ロング・グッドバイ
レイモンド・チャンドラーの古典的ハードボイルド・ミステリ。村上春樹訳
- 作者: レイモンド・チャンドラー,村上春樹
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/03/08
- メディア: 単行本
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当然のことながら、話としては古典中の古典。幾多の映画や小説がドラマがアニメが、この手の話をパクッた古色蒼然たるハードボイルド。その昔、「長いお別れ」のほうは読んだと思うんだけど、まるで覚えてなくて…。
ただ、さすが本家本元だけに、その文章と持つイメージとが美しくて。独特のリズム、独特の文体。作家村上春樹の手にかかり、まるでコニャックの酔いを与える。夜、静かにチビチビと読むのが相応しい小説。
それにしても、フィリップ・マーロウってこんなに何もしない探偵だったっけ?巻き込まれて、どうしようもなくて、手をこまねいた上に、結局何もしない。ただもう、センチメンタリズムの男。しかも、きれいな女にめちゃめちゃ弱い。つーか、この小説、ダメ男しかでてこないので。
そういう男たちの話を美しい文体と渋いハードボイルド台詞が、飾っている。あーでも、後のハードボイルド小説も大体そんな感じか。