"クイーン・ヴィクトリア~至上の恋~

ヴィクトリア女王の、

クイーン・ヴィクトリア~至上の恋~【字幕版】クイーン・ヴィクトリア~至上の恋~【字幕版】
ジュディ・デンチ ジョン・マッデン

松竹ホームビデオ 1999-07-21
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もっとも大英帝国が強大であった時代、ヴィクトリア朝。女王ヴィクトリアの晩年の実話を題材にした歴史文芸作品だ。
アルバート公を亡くし、田舎にこもり続けるヴィクトリア女王が呼び寄せた馬丁。彼は、彼女の騎士として、彼女を支えるが、彼の口に衣着せぬ態度は周囲の反感をよび、また女王への心ない噂は彼への攻撃となっていく。
ばーさんとじーさんの茶飲み友達としての絆。人生の残照のもとで、お互いを新たな支えとして、残された時間を心やすらかに暮らすことができたはず。
もちろん、そのばーさんが、日の沈まぬところはないといわれた大英帝国の君主でなければ…。
女王としての責任に押し潰されそうになっている老いたる女王も哀しい。女王は自分を最も信頼し、愛してくれるのだから、その愛へは無償で答えねばならない、という男の空回りも、哀しい。
そして、その愛も冷酷なる政治のパワーバランスの前に、幸福や安逸とは別の方向へと進まざるをえなくなる。
第一次世界大戦が、ヴィクトリアの子供たちによる戦争であることを頭にいれておくと、さらに、深い。
映像としても、ヴィクトリア朝の風俗を見事に描いていて、エマファンにもおすすめ。
それにしても「至上の恋」っていうダサい副題はないだろ。まったく。