インファナル・アフェア III 終極無間

インファナル・アフェア III 終極無間インファナル・アフェア III 終極無間
アンディ・ラウ トニー・レオン レオン・ライ

ポニーキャニオン 2005-09-21
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取り紛れて感想を書き忘れていた、インファナル・アフェア III 終極無間
前作の感想は以下に。
インファナル・アフェア
http://d.hatena.ne.jp/ariahisaeda/20070827#p1
インファナル・アフェアII 無間序曲
http://d.hatena.ne.jp/ariahisaeda/20070916#p1

第一話目がとにかくすごいので、どうしてもIIもIIIもそれに比較されてしまい、辻褄合わせとアンダーエスティメイトされるんだけど…でも、IIIも悪くはない。仕掛けとしてはより細かく。より幻想的かつ暗鬱な話にふっていて、オイラは好きだ。ま、人を選びそうな映画だけどね。
実際、手に染めた数々の悪事からすれば、最低の「悪人」でしかない男が、何故か「善人でありたい。」という決して叶えられない望みを抱く。その望みは、死んでしまったヤンの人生を執拗に追わせ、しまいには自己と同一化させる。
生き残ったが故に、ラウは不幸になり。全てを失い、壊れていく。破滅していく。彼は決してヤンになることはできない。「悪人」なら「悪人」らしく生きれば、まだ彼の人生は救われたろうに。
この映画は徹底的にラウ視点で描かれる。だから、観客は幻惑され、数々のミスディレクションに引き摺りまわされる。そして、それが自分自身をも誤魔化そうとする哀しい嘘なのを、気付かされる。
そして、ラウは、やはり、救われないままに、無間道を歩み続けることになる。