ニコラス・ケイジのウェザーマン

ニコラス・ケイジのウェザーマン スペシャル・コレクターズ・エディションニコラス・ケイジのウェザーマン スペシャル・コレクターズ・エディション
ニコラス・ケイジ マイケル・ケイン ホープ・デイヴィス

パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン 2006-06-23
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なんとも、カテゴリーわけが難しい映画。コメディなんだけど、口の端に浮かんだ笑いがそのままへの字になるような、やるせない苦い笑いになる。
ニコラス・ケイジが扮するのは、天気予報のキャスター。ニュースキャスターへの登竜門であり、彼もそれを狙っているものの、なかなか世の中は上手くいかない。いや、仕事だけではなく、何もかも上手くいかない。まだまだ未練のある別れた妻は再婚するし、子供たちは問題を抱えていて。それをなんとかしようとする彼の努力も、
当然のように裏目裏目に。
追い打ちをかけるように、彼にぶつけられるファースト・フード…。それがすべてを象徴するように。
そんな彼は、お天気キャスターである自分にひけめを感じつつ、父に認められたいと思う息子で。息子を心配する父で。でも、決して互いを理解しあうことはなくて。最後まですれ違う心と心。
これとあわせてバートンの「ビッグフィッシュ」を見ると対比があっていいかも。ま、父と息子ってのは、どうしようもなく厄介なものを抱えている時があるらしい。
シカゴの厳冬の中を、アーチェリーをひたすら撃ち続ける彼の、暗い目。ニコラス・ケイジというひとはこういう空虚な役をやらせたら天下一品。
あの、灰色のガラス玉のような目は、なにものをも埋め尽くせない心の荒廃をよくあらわしている。うーん、頭の悪いヒーロー役なんて絶対に似合わないんだけどなぁ。ま、ヒーロー役してないとお金は儲からないか…。