へうげもの1〜5服

へうげもの 5服 (5) (モーニングKC)へうげもの 5服 (5) (モーニングKC)
山田 芳裕

講談社 2007-08-23
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一挙に5巻いや、5服をいただいてしまいました。結構なお点前でした。
智と力、裏切りと野望の戦国を駆け抜ける好奇物武将、古田佐介(後の古田織部)を主人公に、好奇(すき)をとるか武をとるか、その2つの狭間で惑いつつ安土桃山の激動期を行き残るその生き様を描いたマンガ…。って設定だけ追うと、まあ、普通の時代劇マンガに思えるんだけど。そんな簡単なものじゃあありません。
いや、基本的にはギャグでコメディだけどね。時代が時代だけに、血しぶきと血糊と抹茶と名物(名のある器物)に彩られた極上の喜劇です。
とにかく絵がすごい。
デッサンの狂いだとか、そういうものをまったく気にせぬ勢いとセンスは、現代アートそこのけそこのけ、といった感じ。
でもって話しのほうの持って周りはものすごく丁寧に史実や他の歴史小説のエピソードを拾っていて、歴史好きを唸らせる。
セコイのに正直で、熱いのに計算高く、数寄をひた走る主人公は魅力的だし。信長、秀吉、千利休といったお馴染みの面々もそれぞれにサイコで面白い。
それにしても、カバーデザインの人も並々ならぬセンス。過剰な元絵をうまく中和して、シャープさを加えていて。とくに4服目の表紙絵が織部の表情もあいまって好きです。

へうげもの 4服 (4) (モーニングKC)へうげもの 4服 (4) (モーニングKC)
山田 芳裕

講談社 2007-01-23
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