マルタイの女

伊丹十三DVDコレクション マルタイの女伊丹十三DVDコレクション マルタイの女
伊丹十三 宮本信子 西村雅彦

ジェネオン エンタテインメント 2005-09-22
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年末にあったBS2での伊丹十三特集で視聴。「女」シリーズほぼ全作を放映したんだから、全部録っておくんだったよなー。
伊丹十三最終作となってしまった「マルタイの女」。「ミンボーの女」で実際にマルタイすなわち警護対象者となってしまった伊丹夫妻の実際の経験をもとにした作品なのだそう。
殺人現場を目撃してしまった女優が、犯人のカルト宗教集団から狙われるようになり、刑事二人から身辺警護されて、という異常な状況でのドタバタ劇。
まあ、いつもの女シリーズなんだけど、ちょっとだけカラーが違うのは、三谷幸喜が参加していたからかも。とにかく西村雅彦がひとり異彩を放ち目立っているんで。
「女」シリーズは確かに喜劇じゃあるものの、ドタバタで笑わせる場面ってのはそう多くなかったように思う。劇中劇のクレオパトラで、西村扮するところの刑事が端役で出ていたのに、実際に大暴れしちゃう、なんてゆーカラっとしたドタバタは面白いけれど伊丹十三的じゃない気がするんだよね。
どっかペシミスティックで、どっか捻れていて、それでいて俗っぽいところは思い切り俗っぽいのが伊丹スタイルなんで。
ホラー映画さながらの怖ろしい襲撃シーンやむき出しの暴力シーン。そして夢オチに誤魔化してこそいるけれど、津川雅彦演じる真行寺に壮絶な自殺をさせているところが、深い絶望を感じさせる…と思ってしまうのは、監督の「その後」を知っている後付けなのかもしれないけれど。