仮面ライダー&キバ クライマックス刑事

公式 http://www.den-kiva.jp/より
銀行がファンガイアに襲われた! 究極の悪の組織・ネガタロス軍団を作ることに執念を燃やす、はぐれイマジン・ネガタロスたちの仕業だ。しかもこのイマジン、デンライナーのオーナーから電王のパスを盗み出していた。このままではイマジンの世界になってしまう! そこでオーナーは、事件解決のために“デンライナー署”を立ち上げ、ノリノリのモモタロスたちは捜査を開始! 

劇場で、ひとりで見てきましたが、水曜日とはいえ平日になかなかの入り。お子様よりは大きなオトモダチのほうが多そうでした。

さて、通常放送が終わりに予告されたVシネになるはずが、反響のよさに気を良くしたのか、劇場公開。やー、よっぽどCD売れたんでしょうな。
で、観に行った感想ですが、ファンサービス用のお祭り騒ぎ、それ以上でも、それ以下でもない。予算、スタッフ、製作期間の厳しさから考えてもテレビでのスペシャル程度の出来といった感じ。
物語としては残念ながら、グリーンランドのヒーローショーレベル。さすがの小林マジックも、如何ともし難かったかなぁ。ま、それは行く前から、「クライマックス刑事」という副題聞いた時から覚悟はしてたけどねー。

最終回の感想で書いたように『「ずっとずっと続けばいい」と。「このまま作中世界に遊ばせてほしい」』との思いに答えて作られたものなのだから。

「そう、これがあなたの望んだ世界よ。」とばかりに。

けれど、その願い自体はやっぱり不毛。やっぱ願う相手がイマジンだから(笑)

主役の佐藤健はすでに良太郎を演じるには、「少年」から「青年」へと変化していて。相変わらずの演技力ながら、それでもR良太郎がすでにつらい。まあ、代わりにK良太郎の時はキンタロスの迫力ばっちりに、着流し姿でなくてもキンタロスを体現することができていたんだけど。
いやおうもなく、時は流れ、すべて変化していく…。
たよりなげで儚げな少年はたくましく成長し、「電王」に変身することはできても、もう彼は「特異点」として機能しない。
だから成長物語としての主人公からすら退場して、別の主人公を必要としてしまったのかもしれない。
(考えりゃ、電王のテーマの一つがメタに具現しているようなもの。)

もちろん、最終回に叶えられなかった愛理とリュウタロスの憑依体でない姿の邂逅だとか、コハナちゃんの相変わらずのがんばりとか、デネブ侑斗のオカンコントや、イマジンたちの掛け合いコントの面白さとか、そういったものは相変わらず楽しませてもらったんだけどね。

そう、ファンなら楽しめる。でも、やっぱり「電王」は、「電王」の「物語」は終わってしまった。面白うてやがて悲しき90分であったような。