仮面ライダー電王 クライマックスは続くよどこまでも

公式サイトよりhttp://www.toei.co.jp/tv/den-o/index.asp?action=list
ついに、現在にたどりついたデンライナー
だが、カイはこの時代すべてを破壊しつくすべく、エネルギーを放射しはじめていた。
最後の決戦に挑む良太郎とモモタロス。その行く手には、全イマジンが立ちはだかる。侑斗は最後のカードを使い切り、もうゼロノスに変身できない。
モモタロス。願いを言うよ……」
勝つのは、人間か、イマジンか?
そして、モモタロスたちの運命は――

終わっちゃいました。
「ずっとずっと続けばいい」と。「このまま作中世界に遊ばせてほしい」と、そう思えただけ、とても幸福な作品だったんだろう。
前代未聞の取り憑かれライダーしかも複数、難しいタイムトラベル設定、ヒロインの交替と、苦難やらいろいろを越えて、ああ、「電王」らしい、と思える場所にアクロバティックに着地したスタッフの皆様、本当にお疲れ様でした。
思えば最初に線路を追いかけてて空を飛ぶ電車のCGを見せられて、「何処にもないもの」をビジュアル化したことに夢中になり。前半は勢いよく見せてもらいました。それは久しぶりに「センス・オブ・ワンダー」という言葉を思い出したりして…。
もちろん、後半を含めて、キャラクタードラマとしての電王はとても優れていて。ここまで「愛される異形を生んだドラマというのも本当に珍しいと思う。ドラマが生きるも死ぬも脚本次第ということを改めて感じ入った次第。
モモタロス、ウラタロス、キンタロスリュウタロス、そして良太郎たちの最後の笑顔でオールオッケー。
回収されなかった伏線や、辻褄の悪さ、あきらかに尺が足りなくてカットされた部分などなど、いろんなことはあるが…。
まあ、そういったものは、「ま、いいか…」
「ノリのいいほうが勝つんだよ!」ということで。

ワールド・トレード・センター

ワールド・トレード・センター スペシャル・コレクターズ・エディション
ニコラス・ケイジ マイケル・ペーニャ マギー・ギレンホール
B000HXDHBE


9.11事件の際、崩壊したワールド・トレード・センターの下敷きになってしまった港湾警察の警察官たち。彼らの救出の際に繰り広げられる人々のドラマ。
閉じこめられた地下という重苦しくなるような閉鎖空間。お互いをなんとか励ましつつ生き延びようとする警察官たち。少ない情報の中、不安と喪失の恐怖に立ち向かう家族たち。そして、未曾有の事件の中、ひとりでも多くの人命を救おうとする人々。
巨大な「天災」に対して、無力ながらなんとか立ち向かおうとする人々の姿を、淡々とした描写ながら、活写している。
廃墟となる巨大ビル。真っ暗な地下世界。地獄さながらの世界、けれど、それが実際にあった世界だ。
9.11がどんな政治的意図を持った事件にしろ、それは俯瞰で見ることのできる外部の人間の言うこと。その中の人間たちにとっては、「災害」であり、なすすべのない恐怖であり、「なんでこんなことになったのか、全然わからねえよ!」という叫びそのままの理不尽だ。
これが巻き込まれたひとたちの本音だろうし。彼らの苦痛、苦悩、喪失は、想像にあまりあるのだが…。
ニコラス・ケイジも抑えた演技で、ヒーローではにない「普通の男」を演じてみせている。
それにしても、ニコラス・ケイジってカメレオンのようにいろんな面を見せてくれるなぁ。「ナショナル・トレジャー」や「ゴースト・ライダー」も彼なら、「ロード・オブ・ザ・ウォー」も「ウェザーマン」も、彼。違いすぎる。てゆーか、ヒーロー物が本当は似合わない人なんじゃあるまいか。
ユナイテッド93」とはまったく別アプローチ。そして、この映画も確かに良くできていると思う。
けれど、この話し、911を題材にとってなかったら、もっと素直に見られたかもしれない。特に繰り返し挿入される「キリスト教的」な救いのイメージが、異教徒にはどうしても気になってしまう。他の映画ならそれでも別に全然構わないけれど、この事件を題材にとってしまうと…。そこにどうしようもなく内向きの価値観を感じさせてしまうのだ