ヒーローと正義

ヒーローと正義
白倉 伸一郎

シャンゼリオン」「龍騎」「555」のプロデューサー白倉氏の「ヒーローと正義」に関する考察本である。自分の制作したドラマへの直接的な記述はないものの、聖書からナチ、ウルトラマンから仮面ライダー、彼が何を考えながら特撮ドラマをつくってきたかということが、わかる。特に「龍騎」のファンは必読かもしれない。ある意味論理のない場所に、ねじ伏せるように力づくで論理を持ち込むその姿は、非常に親しみを感じるし。
「ヒーロー」と「悪」とが、そもそも同じ異形であるという考え方は、頷ける。ならば、そこをよりわける何かを提示しなければならないということだ。混沌でありながら秩序をもたらすものとしての「守るべきなにか」を。