マスター・アンド・コマンダー

マスター・アンド・コマンダー

しまったよー。これは絶対に劇場で見ておく必要があった。あのCMにあまりそそられなかったので、放置しちゃったもんなあ。
「クラシックな海戦」と「立場の違う男同士の友情物語」なんて私のために作られたような映画じゃん。必死にもがき生きようとする少年兵を船全体のために見捨てロープを切る艦長なんて、漢泣きじゃん。
仕方がないので、テレビに思いっきり近づいてDTSモードの音量上げて劇場気分を味わう。(部屋の中を思いっきり暗くするのがコツ。目に悪いのでお薦めはできないけれど。)
ホロム士官候補生の自殺はイギリス版「弟橘媛*1」伝説。
そういう水に関連する因習の深さ(船乗りはだいだいどこでも迷信深い)を知っていないと、これがただの「イジメラレ」自殺に見えちゃうんだろうな。彼に自殺を強いたのはそういう船全体がもつ暗黙の悪意であり、航海安全のための犠牲欲しさであり。オーブリー艦長自身ですらそういった因習からは自由でなかったことを示しているあたりが深いのだが…。
ガラパゴスのシーンも、ドクターマチュリンが非常に魅力的でいいい。
ラストの謎かけも大変面白い。あの敵の医者の正体はアケロン号の艦長なんでしょうなあ。

*1:ヤマトタケルの妃で、航海の安全のために入水自殺する