デビルマン復刻版 (1)〜(5)

映画化と、そのどうしようもないらしい出来のために、「デビルマン」の5文字を見ることが多くなって、書庫からひっぱりだしてきて再読。
読めば読むほどに、原作に沿った実写化ということが無謀と思い知らされる作品。(そのエッセンスを抽出しつつ、新しい物語を編むのならば、巧者によってならもしかしたら可能かもしれず。)作品自体は、通常のフォーマットから言えば破綻している。その破綻を、天才永井豪の画力と構成力が腕ずくでまとめたのだから。
無惨、残酷、エロとグロ。だが、その魂の高潔さだけは残る。
久しぶりに読み返してみれば、数々の名場面に圧倒されるものの、頭のなかで違う絵に作りかえていたところが多数。あんなに何度も何度も読んでいたのに、人間の記憶なんて本当にいい加減なものだ。絵のトレースまでしていたのに。(まあ、デビルマンマンガ版をトレースする中学生女子というのも問題があるっちゃー問題があって。こうやってろくな大人にならないわけだが…。)
ネットでの感想を読む限りにおいて、映画のほうは相当手痛い失敗をしているようだ。何を考えてこのような最高傑作に手をだしたのかはわからないけれど、原作ファンはおろか主演アイドルのファンですら楽しめないものを作っちゃっているらしいからにゃあ。
アイドル映画を製作するのなら、「ゴジラ対メガロ」のリメイクをやるとこれ以上落ちる余地がなくていいと思うんだけど。