興亡の世界史 イスラーム帝国のジハード

興亡の世界史シリーズの第一回の配本。イスラームの歴史をひもとき、現在の状況までつなぐ。

イスラーム帝国のジハードイスラーム帝国のジハード
小杉 泰

講談社 2006-11-15
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私たちは、ある程度歴史に興味がある人間でさえ、どうしても西洋側からの視点で歴史を見ることから自由になれない。十字軍、ウマイヤ朝のヨーロッパ侵攻、レコンキスタ(領土回復運動)慣れ親しんだ世界史の語り手はいつも西洋側だ。
この本は、そういう見方からほんのわずかに踏み出すことを誘ってくれる。
それにしても、いささかイヤになるほどの自分の無知を思い知らされる。中にでてくる単語の意味を掴めない、もしくは実感としてビジュアル化が難しい…。「ウンマ」、「ウラマー」、定義そのものが難しい言葉たち。政治、軍事と分かちがたく結びついた宗教。(なにしろ、日本の場合政教分離はかなり前から起こっているもんなぁ。)
もちろん、自分の無知、不勉強は深く反省するとして、そのひとつの原因として、イスラムを舞台にした「フィクション」があまりにも少ないから、というのもあるかも。
そういった外部世界の認識を変化させようと意図するなら、知恵を絞ってハリウッドに対抗すべきだと思うぞ。