ハイビジョン特集 ハプスブルク帝国 第2回女帝マリア・テレジア

三回シリーズの第二回。
ご存じマリア・テレジア。ご存じといっても、なんつーか不幸なことにマリー・アントワネットの母親であるということのほうが、名前の先に立っちゃって。立憲君主の中でも、最も英明な王のひとりであることが、霞んでいる。こういうちゃんとしたドキュメンタリーがあるのはいいよね。それにしても、やっぱ横死を遂げないとフィクション的には「華」がないのか。
もちろん、地元オーストリアではそうじゃなくて、義務教育制度を最初に採り入れた啓蒙主義者としての名が大きい。国中の王宮はマリア・テレジアごのみの明るい優雅なイエローに塗られているし。
23歳で即位した時には、すでにボロボロになっているハプスブルグ帝国の制度を整備しなおして、列強に対抗できるようにしたってのはすごい。
ヨーロッパには何故かこういった凄まじい女君主が多い。別にヨーロッパだからといって、当時の女性の王族や皇族が『「子」を産む道具』だったのは、本邦と変わらないんだけど。
そういった不幸な状況をねじ伏せて、争いや戦争に勝って自らの力を認めさせ、男性には出来なかったことをやってのけている。大英帝国の祖ともいうべきエリザベス一世レコンキスタ(領土回復)をやってのけたスペインのイザベラ女王、領土拡大を行ったエカテリーナ2世などなど、女帝たちの系譜だ。そういった女帝たちはもともとの皇位継承者ではなく、危ない橋を渡って王冠を手に入れていたというところも、共通している。まあ、マリア・テレジアの場合は、他にいないから仕方なく、という感じで、法律まで変えての即位だったみたいだけど。
そういうマリア・テレジアによる世界帝国の再編成のお話。戦争にあけくれ、君主としては働きづめではあったものの、私生活では愛のある結婚をし、16人の子供に恵まれ、死後はダブルの棺に納まった…。ある意味とても幸せな一生を過ごした人とも言えるかもしれない。生涯を通じ、彼女を支え続けたシュテファン公も、えらい人だったんでしょう。
ということで、ウィーン大学などなど今年の7月に行ったウィーンの光景が、そのまんまハイビジョンで見られるという私には非常に嬉しい番組だった。
ウィーン旅行記は、ブログ版世界征服若手の会 http://bekkan.blog.shinobi.jp/で公開中←自分のブログの宣伝かよ!