祇園の祭り

旅行から帰って、時差ぼけが治らず、早朝に見た「祇園山笠追い山ならし」中継。ご存じ、博多を博多たらしめんとする祭り。狭い境内をヤマ(山車)を担いでタイムトライアルをする。
いや、つくづく日本人というのはストイックな民族だ。祭りというよりは軍事教練みたいな悲壮感と緊張感。見事なまでに足並みが揃った山の担ぎ手たち。高さ4メートル、総重量が1トンを越えるというヤマを、集団で担ぎ、ヘアピンカーブさせる様子は、毎年見ていても感心する。
本日になって、同じ祇園のお祭りでも、本家本元京都の祇園祭りをやっぱり中継で見る。都の雅を映して、ゆったりとゆるやかに動く国宝級の宝物たち。これはこれで、山矛巡業は大変だとは思うけれど、山笠の緊張感に慣れた身としては、少々かったるい。(すみません、鄙の人間の言うことです。)とはいえ、こちらもやはりストイシズムとしかいいようのない重調さに満ちていていて。
ラテンのカオスとも言うべき現代版祝祭-ワールドカップの興奮を間近に見てきた後だけに、改めて感慨を持ってしまった。